ある私的プロジェクト完遂

以前に書いたのだけれど、http://d.hatena.ne.jp/myoshica/20081125
僕にはやり残したプロジェクトがある。
それは日本にある3000m超21座の登頂である。

参考:3000m超21座
(01)富士山 :3776m
(02)北岳  :3192m(南アルプス
(03)奥穂高岳:3190m(北アルプス
(04)間ノ岳 :3189m(南アルプス
(05)槍ヶ岳 :3180m(北アルプス
(06)悪沢岳 :3141m(南アルプス
(07)赤石岳 :3120m(南アルプス
(08)涸沢岳 :3110m(北アルプス
(09)北穂高岳:3106m(北アルプス
(10)大喰岳 :3101m(北アルプス
(11)前穂高岳:3090m(北アルプス
(12)中岳  :3084m(北アルプス
(13)荒川中岳:3083m(南アルプス
(14)御嶽山 :3067m       未
(15)西農鳥岳:3051m(南アルプス
(16)塩見岳 :3047m(南アルプス
(17)仙丈ヶ岳:3033m(南アルプス
(18)南岳  :3033m(北アルプス
(19)乗鞍岳 :3026m(北アルプス)未
(20)立山  :3015m(北アルプス)未
(21)聖岳  :3013m(南アルプス

上を見てもわかるけど、3つだけ登っていないのである。
それも御嶽山乗鞍岳立山という、この中では簡単なしろーとでも登っている3つなのである。

で、かみさんの了解を(無理やりw)もらって、このシルバーウィークに登ろうと決意したのが、1ヶ月前。
(Blogにも書いた気がする)

この登山にあたり、コンセプトを決めた。
1.新たに道具は買わない(地図すら買わずネットでゲット)
2.日帰りで山小屋にもキャンプにも泊まらない(普通はその必要がない山ばかりだけど)
3.泊まりはどっかの駐車場で車中泊
4.山中の食事はドライ系(SoyJoyとかそういうの)
 これにより(コッヘル(鍋)、武器(フォークとか箸)やガスコンロ)荷物は大幅に減らせる
5.簡単なコースを選ぶ(できるだけ公共交通機関や車で標高をかせぐ)
6.1000円高速を利用する
7.カメラもデジコン
で、実際に上を守った。

予定
9/19(土)御嶽山
9/20(日)乗鞍岳
9/21(月)立山〜帰宅



Day0(9/18(金))
シルバーウィークを有意義に使うため移動は金曜日の仕事が終わってから移動した。が、県境を越え、首都高にはいると大渋滞。新宿を抜け、中央高速に達するには2時間くらいかかりそう。なので、せっかく乗った首都高を箱崎ICで降り、銀座を通り、一国経由、環八経由で調布ICへ。そこからは多少渋滞があると思ったけど、八王子を超え、談合坂SA前で大渋滞。工事中とか…ふざけるんじゃない。実際には工事などされている様子もなく、2車線が登坂車線込みで3車線となり、また2車線となったところが混んでいただけ。ふざけるんじゃない、回避できる、発生が予測でき、予防できる渋滞であった。いったいJHは何をやっているのだか。

その後は順調に流れ、伊那ICで降り、新しくできた権兵衛トンネルを抜け、御嶽山の登り口である田の原山荘に着いたのが2:30AM。まぁ、伊那ICを12時過ぎに抜けて1000円という計画は達成できたけど、予想外の遅れ。千葉からは378km。ベイエリアからヨセミテが近いのか、御嶽山が遠いのか、判別不能

その後、プリウスの後部座席を倒し、マットレスを敷き、寝床に入った。朝方超寒かった。そりゃそうだ標高2200m。気温は当然一桁。



Day1(9/19(土))
5:45に起きて、前の日に買ったパンを食し、6時半に出発する。装備は一応ザックは持ったけど、雨具と寒さ用の衣服と食料と水くらいなもので、推定6kg。南アルプステント3泊の時には20kgを超えていたことを考えると超軽い。

途中、2回ザックをおろす休憩を取ったけど、8:40には頂上に着いた。2時間10分の登りである。一応標高差は900mくらいあったけど、歩くスピードが普通の人の1.2倍くらい、休憩の回数が普通の30%減ということで、1.5倍くらいの早さかと思う。なにせ、単独行なので、「そろそろ休もうか」と言う人が自分しかいないのが早さの要因。頂上で20分ほど景色を眺め、写真を撮り、他の登山者と話をして、9時には降りる。下山も結構早く降りることができ、10:10には出発地へ着いた。帰りは1時間10分であった。登りはじめから下るまで、3時間40分のスピード登山である。因みに持参した万歩計によると14616歩。

ここから乗鞍へ移動。もしかしたら乗鞍登れるんじゃないか?という希望もあったし。が、移動距離は120kmもあり、おまけに全て一般道。

乗鞍岳の麓である平湯温泉のアカンダナ駐車場に着いたのが、12時過ぎ。バスの時刻はとみると、12:40に出てしまったばかりとのこと。親切なバス会社のおじさんの話では次の停留所であり8km離れている、ほおのき平スキー場でバスは12:55に出発すると思うから、飛ばせば間に合うかもしれないと。

で、結構飛ばして、実際にバスを抜いて、そのバスに乗れないことはなかったけど、帰りの畳平からのバスの時刻が16:50ということで、もしかしたら頂上を極めても下界に戻ってこられない可能性もあり、断念した。結果的にこれがよかった。

その後、暇なので、西穂へのロープーウェイがある新穂高温泉郷に行ったり、平湯温泉日帰り温泉に入ったりして、また宿泊地であるほうのき平スキー場に戻った。で、明日のバスの切符を買っておこうかなと思って、自動販売機は終わっていたけど、様子を聞いたら大変なことになっていた。
『今日、熊が出て(おいおい)、畳平では何名かが怪我をしていて、今日の途中から通行止めになった』というではないか。ニュースによると
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090920ddm041040044000c.html
事件は14時半に起きていた。知らずにバスに乗っていたら、着くのが13:40だったので、下山時(推定16時)には大変なことになっていた。その時にいた元乗客はバス会社に「せっかく広島から来て、バスに乗って畳平まで行ったけど、バスから降りられずにそのまま下山した。お金を返してくれないか…」が、バス会社の話は「自然災害なので、返金はできません」とのこと。
さらにバス会社の話では、「今日駆除されていることが確認できても、明日も安全の確認があるため、明日にならないとバスが出るかどうかわからない」だって。まぁ、しようがないけど、自己責任と言うには場所が一般人の行けるところだしね。
その後、高山方面に少し降りて、名物の飛騨牛の串焼きを食べ、飛騨ラーメンを食べ、そしてだめ押しで、飛騨牛のコロッケを食べた。
明日の朝は超早い。早く寝よう〜。
長いDay1は終わった。


写真1は御嶽山から見た北アルプス方向。さすが御嶽山は独立峰で景色がよい。



Day2(9/20(日))
朝3時過ぎに起き、3時半にバスの受付に行くと、「現場検証が7時からあり、開通はいつになるかわからない」とのこと。それならしょうがない、予定を変更し一路立山へ。距離はまたしても130km。でも、朝(3時半発)なので、早い早い。2時間ちょいで、6時頃に立山駅に着く。そこで見たのは…長蛇の列。
駐車場もずいぶんと遠かった。ここからはケーブルカーに乗り、美女平でバスに乗り換え、室堂まで計1時間ちょい。
実際にはチケットを買うまで20〜30分、それから時間指定のバスに乗るまで1時間かかり、(臨時の直行)バスが発車したのは7:20。やれやれ。さすが連休。チケットの値段もものすごくて、往復4190円。

それからバスは8:20に着き、8:30にホテルを8:45に取り付け口を出発した。立山の室堂には大きなホテルがあり、きれいな池も地獄谷もあり、山に登らなくても楽しめそうな雰囲気で、そしてきれいな場所であった。室堂までの途中までの景色も良かった。

峠である一の越に9:30に通過し、そこからのやや急坂を上り10:05には立山頂上(雄山)に登頂した。いや実際には山頂(3003m)は神社であり、そこにあがるためには500円必要ということで、そこは断念。しかし、立山連峰の最高所は大汝山(3015m)なので、そこに向かう。その後、大汝山、富士の折立(2999m)、真砂岳(2861m)を通過し、別山はトラバースし、剱御前小屋までプチ縦走をした。黒部ダムから見えるのは雄山ではなく、大汝岳のあたりである。

そして、剱御前小屋を12:30に出発し、雷鳥沢を降り、室堂に戻った。時間は14:20。結構きつい下りだった。このコースはいったん沢まで降りる関係上、キャンプ場からバスターミナルまでの登りと地獄谷の階段がぢごくだった。

14:30頃のバスにすっとに乗り、45分くらいで美女平に着く。が、そこには人が一杯。最短の整理券をもらってはあるものの、乗れるまで1時間もかかる。ケーブルカーに乗っているのはたった7分なのに。それなら行きみたいに、立山駅まで直行バスを出せばよいのに。それではバスが足りないとか何とか、ここで1時間以上待つようになると、上から直行バスが出るとか何とか、係員もあきらめ顔だったけど、もっと早めにいろいろやっておけば、こうはならないと思う。実際、我々の後のバスは立山駅に直行して、ケーブルカーを待つ我々を軽く抜き去った。

16時過ぎに立山駅に着き、Pまで歩き、またしても130kmの移動。途中、富山の美味しい寿司(回っている)を食い、乗鞍に戻る。着いたのが19時くらいか。もうあいている日帰り温泉もなく、民芸博物館に露天風呂があるのを発見し、しかし、受付は閉じていたけど、温泉はやっていて、ざぶっと浴びて宿泊所(ホテルプリウス)に帰った。で、明日も早いので20時に寝た。

今日は23790歩も歩いた。標高差は600mほど。プチ縦走したので、累積はもっとあるけどね。


写真2はバックは劔岳。今年ずいぶんとメジャーになった山。が、3000mには少し足りず、2999m。3000m超には入ってはいないが、山容は写真の通りすごく、よくいわれのは岩の殿堂、岩と雪の殿堂。実際に見るとすごい、登ってみたい。今回はいかんせん時間が無く断念。なので、いつかの再会を目指したい。と言っても見るのではなく、登る。ちゃんと普通の人用のコースがあります。ただし、カニの縦バイ、横バイと言った難所がありますが。


Day3(9/21(月))
今日こそ乗鞍だ。朝、2時に起き準備をし、3時半に並んで、4時のバスに乗る。プリウスでの宿泊も慣れてきた。ポイントはテールゲート側に枕を置くここと、アイマスクは必須と言うこと。

バスに揺られ、標高2700mのへ。あと300mで3000mというところで、ハイヒールで3000mと言われたゆえんである。一般的に標高差が300mで1時間なので、ここも1時間で登れるはず。バスの値段は往復2200円と立山より半分くらい。

で、みんなについて登っていった先はなぜか頂上で20分もかからなかった。おかしいと思って調べるとここは富士見岳で2817mしかない。幸い、乗鞍岳最高峰の剣が峰方向にあわてて降りる。そして、しばらく平地というかやや下り坂があり(登山中の下り坂って閉口するんだよね〜)、肩の小屋でようやく登り直す。ちょうどこのころ朝日が昇ってきてご来光〜というバスの設定なのである。

そうこうするうちに頂上小屋を過ぎ、6:10に山頂へ到着。ついに3000m峰21座の完登である。ここまで1時間15分。よけいなところを登っていなければ1時間くらいか。何せ水平移動が多かった。順番が変わり、21座中もっとも簡単な山であるけど、ちょっと感動した(かも)。ここからの景色はおととい登った御嶽山、南、中央アルプス穂高岳槍ヶ岳を目の前にして北アルプス、遠くに立山まで、西には白山も見え、飛騨側は雲海であった。歩数たった7756歩。

その後、7:50のバスに乗り、8:30には駐車場に着く。上高地方向の渋滞(20km以上)を横目に松本ICから、中央高速を経て千葉まで帰った。途中、調布IC〜首都高速まで断続的に渋滞があったけど、それほどシリアスなものではなく、13:50には千葉に着いた。約5時間、なんと、ノンストップとか言わないけど、無休憩で310km(200miles)。結果的には最終日が乗鞍岳でよかった。立山なら富山から新潟か長野経由で500kmのドライブがあり、山の行程も長く、帰宅は朝方だったと思う。熊騒ぎはあったけど、なんだかついていた気がする。

写真3は乗鞍岳登坂途中の朝焼け。雲海がきれいだった。


「あ〜、目的達成、もう登らなくていい〜と言う気持ちともうちょっと登ってみたい山もあるな〜と言う気持ち」が複雑に混ざった感じである。山って登っているときは「わくわくする気持ちとゼイゼイしている体があり」、下りは「目的を達してしまっているのでつまんねぇなぁ〜と言う気持ちと足が乳酸だらけという体の悲鳴が混じっている」けど、どちらにせよ他のことは考えることができずに、体も心も頭脳もイニシャライズできるんだよね〜。実際に登りながら仕事や家庭のことは考えられないし、頂上の神社では「登らせてくれてありがとうございました」以外のことは思い浮かばない。今回は酒断ちをしたけど、頂上で飲むビールや下界でのベールは格別だし、今回は下山後の風呂後のファンタ・グレープですら最高に美味しかった。何故、山に登るのか?いにしえの人は「そこに山があるから」と禅問答のようなことを答えていたけど、ボクに聞かれたとしても、適当な言葉が思い浮かばない。あえて言うと「登りたいから」くらいなものか。

そういうわけで、登りたい山。
1.劔岳
2.西穂高岳
3.白山
あと北海道の山も魅力的。

人が決めた100名山はいいや。


また登るかもしれないけど、登らないかもしれないけど、きっと登ると思う。その時は最新の装備を買って…みたいな。w