山に関する考察

「道具編」
久しぶりの雨中の山行だったので、いろいろなもろさが露出した。
1.レインウェア
 買ったのはもうかれこれ15年くらいになろうか。さすがにへたっていて、撥水どころか防水効果もなくなっている。そろそろ替え時かと思う。最近のレインウェアは撥水、ゴアテックスでも500mlのペットボトル並みのサイズらしい。


2.シューズ
 結構高かったMEINDLのシューズだけど、貼り合わせ部分が完全にやられている。最初は左足で漏水を感じたんだけど、右足のつま先側からのめくれで完全にいかれているのがわかった。あとで見たら左足も1cmくらいめくれていた。右足は15cmほど。これは修理が可能かと思う。来年のリベンジまでには直す。


3.ウェアとか
 最近のウェアはすごい。パンツ(下着ではない)でさえ、撥水効果がある。チノパンでもいいけど、雨の山行になるとひとたまりもない。


4.コンパス
 GPSも本当は欲しいけど、ちと高い。Germinとか10万円とかするし。
 晴れている時は太陽や景色で同定が可能だけど、雨天霧中では不可。自分がどこにいるか地図で見て見当をつけるしかない。すくなくともどちらに向かっているかわかるためにもコンパスは必要。


5.ストック
 歩く時に楽なストック、あるいはポール。これも10年以上間に買ったやつで結構へたってきた。長さの調節をしても縮んでしまう。まぁ、使えないこともないけど、これは使うか。


今、登山ショップに行ったらすごく目移りしそう〜。



「気持ち編」
雨中は結構つらくて、目に入ったりするとそれはそれで痛いんだけど、5分もすればそれを和らげる方法を考えて、結構慣れてしまうものなのである。10分もすれば、何にも感じていなく楽しんでいる自分がそこにいる。


「ルート探索」
雨中ではどうしても下を見がちであるが、それじゃまずい。すぐに道に迷ってしまう。登山のルート検索(AI(人工知能))はマクロとミクロを両方同時に行わなくてはならない。マクロは目的地へ向かう全体的な方角、方向。ミクロはその道の中、案内のペンキをたどりながら、どのルートを取るのが、どこに足を置くのが足に負担をかけないかということを常に考えなければならない。


「リスク回避」
山は低くても高くてもリスクは日常よりも高い。その中でいかにリスクを下げて行動するか非常に重要。山には小さなリスクから大きなリスクまでそれこそゴロゴロしている。軽く怪我をする、虫に刺される、道に迷う、体が濡れる、体が冷える、石を落とす、石に当たる、滑落、死。ほとんど全てのリスクは行動により避けられるし、避けなくてはならない。最大のリスク回避は「山に行かない」であるけど、山に行くことを前提にすると、それはできない。なので、いろいろなリスクを回避する適切な方法を取っていかなくてはならない。今回は雨風が強かったので、テント→小屋泊、登頂断念というリスク回避をした。高尾山や筑波山、いや普通の3000m級の山(岩場がないという前提)なら登っていたかもしれないが、さすがに岩と雪の殿堂と言われる(この季節に雪はないが)、剱岳ではそれは許されない。普段はppmオーダーの「死」の確率が何百倍にもなる。それでも%だろうけど、%までいったリスクを取ることは山では危険すぎる。それに単独行なのでリスクは増大するし、遭難時に連絡をしてくれる人もいない。行き先や天候、行動形態によりリスクは増減する。あ、そうそう、リスクは往々にして道具(お金)が解決してくれる。w
全てではないのが救い。


「経験」
ゴルフでもそうだけど、いくら本を読んでもだめ。うまくならない。知識としては必要だけど、身に入らない。やはり(ゴルフと同じ)で、現場体験が重要。そもそもゴルフと違って練習はできないけど、そういう想定で生活をすることはある程度可能。例えば、街中を歩く時のルートファインディングや濡れた階段の歩き方、風をよける歩き方、落石があっても耐える力、蛇やトカゲを食べるサバイバル能力など。(チトムリアル)


「忘却」
仕事や通常の私生活からうんと離れるので、普段のことを忘れてしまうことも可能である。だいたいきつい坂を上りながら余計なことを考えるのはほぼ不可能。もしかしたら今まで思いつかなかったアイデアも浮かぶ。今まで結びつかなかった点と点が結びつくこともあるかもしれない。そうなったらメモをしないといけない。雨中ではほぼ無理。でも、いったん思いついたアイデアはきっと脳のどこかにあるので、いつかアクセスするのも可能かもしれない。


「コミュニケーション」
山小屋の利点は他の人とのコミュニケーションである。あの山はおもしろい、あそこには熊がでるとか、いろいろな生の情報の宝庫。そういう人が必ずしもホームページやBlogを持っているとは限らない(間違いなく持っていない)ので、そういう情報は貴重である。そのうち食べログ(山編)がでたりして。


「何故山に登るのか?」
・そこに山があるから
・自分がいるから
・山に登りたい自分がいるから
・友達に誘われた
・ブームだし〜
・馬鹿と煙は高いところに上るから
・海はしょっぱいし
・景色がいい
雷鳥が好き
・教えて
・携帯もつながるし〜